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フィルター・セパレーター・コントロール・ヴァルヴの働きとテストに関し、何回かに分けて述べたいと思います。今回は最初で、主として市場に出ている種々なブランド間の違いについて触れることゝ致します。
世界中のギャムグラムの読者の内で、種々なセパレーター・コントロールのそれぞれにつき、故障原因の追究と修理の方法をすでに知っている方は、おそらく5人は超えないのではないでしょうか。これまで、フィルター・セパレーターの傍らに佇んだことが何回お有りでしょうか。それには、種々なチューブが付いていて違ったヴァルヴをつないでいます。それを見て、はたしてどのヴァルヴの具合が悪いかどうしたら分かるだろう、と思ったことも何度かおありでしょう。少なくとも5種類のヴァルヴが出回っており、参考書を持ち歩かなければならないほどです。
筆者はこれまで、大分トラブルシューティングの出張をしましたが、必要な情報が不足していて無駄になったり、困ったりのケースがかなりありました。この問題を解決するには、名の知れている全てのヴァルヴについての資料を集め、一覧表にすることです。クレイヴァル、ベイカーそれにブルックス・ブローディから特に協力を頂戴しました。本稿では、移動用装置に使われている単一回路のコントロールについては割愛しました。
図はコントロール・システムの概略です。先ず、最初のコントロールはフロート式パイロット・ヴァルヴです。フロートは、燃料ではなく水に浮く重さとなっています。従って、水と燃料の接触面に位置するわけです。表1では、水が凝集するにつれてドレン・ヴァルヴが開くことと、もし水の凝集がドレンよりも早い場合には、水位が安全な線に戻るまで、ディスチャージ・ヴァルヴが閉じていることを示しています。
どのメーカーも、フロート式パイロット・ヴァルヴには4つのポートを使っています。これらのポートにはどのメーカーのものでもそれぞれ識別の印が付いていますが、A. O. スミスだけは無印です。表2にメーカー別のポート記号を示します。スミスの資料では記号を使っていることになっていますが、まだ実際にはそのヴァルヴ上で見たことがありません。そこで、時計の文字盤上の数字でその位置を示すことゝします。
例:ウォーター・ドレン・ポートは2時の位置にあります。
表1
| フロート 位 置 |
自 動 ウォーター ドレン・ヴァルヴ |
ディスチャージ・ ヴァルヴ |
|---|---|---|
| 上 | 開 | 閉 |
| 中間 | 開 | 開 |
| 下 | 閉 | 開 |

表2
| ポート識別 | クレイヴァル | ベイカー/厶エスコ | ブルックス・ ブローディ |
オイル・ キャピタル |
ムーアコ | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1986 年5 月以前 | 1986 年5 月以降 | |||||
| サプライ | S | A | P | D | サプライ 又は 電源 |
D-9 |
| ウォーター・ ドレン・ ヴァルヴ |
W | C2 | DV | A | ウォーター・ ドレン |
A-2 |
| ディスチャジ・ ヴァルヴ |
F | C1 | SV | C | Acc. ヴァルヴ | B-5 |
| ヴェント | D | B | E | B | 排気 | C-6 |
表中社名の言語綴り:クレイヴァル= ClaVal、 ベイカー/ムエスコ= Baker/Muesco、 ムーアコ= Moorco
ブルックス・ブローディ= Brooks Brodie、 オイル・キャピタル= Oil Capital
システムの故障箇所を見付けるには、どのポートで排気がなされているのか、そして又、どのポートに種々な条件の下で圧が掛かっているのか、ということを知らなければなりません。表3にこの問題をメーカー別に示します。F-S、W-D はポートF がポートS と、そしてポートW はポートD とそれぞれ内部でつながっている、ということを表わします。
表3
| フロート 位 置 |
クレイヴァル | ベイカー/厶エスコ | ブルックス・ ブローディ |
オイル・ キャピタル |
ムーアコ | クレイヴァル CFF12-H3 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1986 年5 月以前 | 1986 年5 月以降 | ||||||
| 上 | F-S, W-D | C1-B, C2-A | SV-E, DV-P | C-D, A-B | A-E, W-S | 5-6, 2-9 | F-D, W-S |
| 中間 | F-D, W-D | C1-A, C2-A | SV-P, DV-P | C-B, A-B | A-S, W-S | 5-9, 2-9 | F-S, W-S |
| 下 | F-D, W-S | C1A, C2-B | SV-P, DV-E | C-B, A-D | A-S, W-E | 5-9, 2-6 | F-S, W-D |
フロート・パイロット・ヴァルヴは、付き方が横でも底でも、全てその動きが表の通りになりますが、一つだけ例外があります。それは、クレイヴァルの1626AF 型で、これは底式のフロート・パイロットと自動ドレンのコンビネーション・タイプですが、サプライもウォーター・ドレン・ヴァルヴも、又ヴェント用ポートも見ただけでは識別できず、故障チェックの際は空気でベンチ・チェックしなければなりません。
スミスのシステムを使っているとして、フロートが下がっている時、ウォーター・ドレン・ラインからの燃料漏れを、しょっちゅう経験していると仮定しましょう。ヴェント・チューブを外して、そこに原因があるかどうか調べます。もし、そうであるならば、フロート・ヴァルヴのシールが不良なために燃料がヴェント・ポートへ漏れ出ているということです。もし、ヴェント・チューブに漏れがないならば、ウォーター・ドレン・ヴァルヴのシールが不具合か、さもなければゴミの粒子で開きっぱなしになっているかのどちらかであると断定できるわけです。
同様のトラブルがクレイヴァルのシステムで起った場合、ヴェントでの漏れはフロート・パイロットにあり得ると判断されますが、F とD がつながっていますので、チューブを外して、ディスチャージ・ヴァルヴの「オン/オフ」コントロール・パイロットから燃料が来ているのかどうか、汚れているかのいずれかになります。
稼働不良を分析調査しようとするに当って、表3は非常に便利です。一例を挙げますと、ディスチャージ・ヴァルヴをつなぐチューブの取り付けを緩めれば、フロート式パイロット・ヴァルヴから燃料が圧送されて来ているのが認められるでしょう。そこで、そのラインに圧の掛かっているのが分かったならば、トラブルの所在はフロート・パイロットではなく、ディスチャージ・ヴァルヴにあるのだ、と診断できます。
(ザ・ギャムグラム第10 号ー以上ー)

