私は子供の頃、ロス・アンジェラスに住んでいましたが、その折のこと、ゴミ回収トラックが 週に2度、私の家のそばまでやって来ていました。その臭気は表現のしようもないほどでしたが、私は作業員がいつもゴミを空けながらゴミ缶から出てくるものに目を注いでいることに気付きま した。ある日、何を探しているのかその人に尋ねてみました。「坊や、」その人が言いました。「面白いね。ゴミ缶から出てくるもので、まあそれぞれ人のいろんな事が分 かるんだよ。」今私は、フィルター・マンとして、彼のこの哲学が正しいことを証明できます。
我々はフィルターとか油だめで回収したゴミから、あなた方の油とその油の扱い方について、あなた方 ご自身よりも多くの事柄を知ることができるかも知れません。
フィルターのサンプを検査して知り得るものは非常に大きな問題であり、ギャムグラムでもこの点を多 く扱いたいと思います。本号では、フィルター・セパレーター・サンプ内の大ぶりのゴミに関してのみ話 を進めましょう。
ゴミはフィルター・セパレーター・サンプにどのように入込むのでしょうか。
ご承知のように、全て現今のコアレサー(第一段階目のエレメント)は液がインサイドからアウトサイ ドへ流れるように設計されています。サンプはコアレサーの外側に溜って来る水を集めるためのものです。そしてコアレサーも又フィルターであります − と、こゝで疑問が生じるでしょう。どういうふうにし
てゴミがサンプに溜るのか、という。コアレサーの機能が完全ではないのでしょうか。違います(もっと も、ほんの稀にはそういう事もあるでしょうが)。
ある寒い冬の夜中のこと、私はあるお客からの電話で、暖かいベッドから起き出すはめになったことが ありました。その人はこう私に言いました。「君のところから先月買ったこのいまいましいエレメントだ がね、大きなパン切れとゴミを通しちまった。サンプ・ドレンから出て来てるよ。」圧力は絶対大きく下がっ てなかった、とも言い張りました。私は吹雪の中を300 マイル(約483 キロ)も車を駆り、翌日に はいずれも目に非難の色を浮かべている職員の一団に面会していました。白い幾つかのバケツの底に横たわる証拠なるものも見せられました。それは恐るべきものでした。殆どがピンの頭ほどの大きさで、そう・・、コーヒーかすのようなものでしたし、あるものは、かなりの大きさでした。
新しいエレメントを取付けることに彼等の間で話がまとまりましたが、それは私の競争相手のものでし た。フィルター・メンブレンによる色相試験では問題がなかったにも拘わらずです。その日の夕方には新 しいエレメントがタルサから航空便で届きました。私達は現場作業員達の手で私のエレメントが取り外さ れるのを、フィルターの周りに集って灯りを頼りに見守っていました。取り外されるエレメントを私は検 査のため工場へ送ることにしていました。
必要な範囲で燃料を抜いてから、カヴァーが開けられました。皆でヴァルヴやパイプをよじ登って梯子 の上から覗き込みました。と、どうでしょう。燃料は水晶のように透明でエレメントは実に完全そのもの のように見えました。一方、サンプは汚れきっていたのです。
恐ろしいことに、彼等は燃料を全部抜き取らないでエレメントを外しに掛かったのです。「それだ、判っ た!」「そんなことはしないで下さいよ。」私はもう本当に嘆願しましたね。そう言っているうちにも最初 のエレメントはもう外されてしまいました。その時、私は勝ち誇る気持で懐中電灯がキラキラと映しだす 燃料を見るように彼等に向かって言いました。まあ!ヴェッセル全体が光の中ではっきりと浮かんで見え る様々なタイプの汚れた粒子でメチャメチャになったのです。
コアレサーの中に捕えられていた汚れの粒子が、エレメントを外した時にエレメントのセンター・チュー ブから残っていた燃料を通ってヴェッセル内に流れ出て来たのでした。
このエピソードはもう何年も前にあった事で、私もしばしば語ってきましたため、世界中に知られてい るのではないか、と思うほどです。しかし、そうはいかないようで、先ずタンクの燃料を空にしないでエ レメントを外そうとする人が居ることを1ケ月の内に1件は見つけられるのではないでしょうか。
フィルター・セパレーターのドレンをサンプ・ヴァルヴを通して行う場合、コアレサー内の油はコアレ サーを経由して出てきます。油がエレメントから急激にほとばしり落ちるということはありません。この 2つの条件によってゴミがエレメント内に保持されるのです。もっとも、何人もそれを見ることはできま せんが。それで道理に適う、というものではないでしょうか。
《断片考》殆どの横型フィルター・セパレーターでは、この種の問題がありません。(ふたを 開けるためには)先ず、ドレンを行わなければならないからです。
もし、サンプ内に大きなゴミの粒子が見つけられたとしたら、それは、コアレサーが破けたか、取付け 自体が悪かったか、又あるいは前回エレメントを交換した際にサンプを良く掃除しなかったか、大抵この 内のどれかが原因であることに間違いはないでしょう。
現在のコアレサーは、油中で分離していることが人間の目で確認できるほどに大きなゴミを通すことは ありません。
このため、フィルター・メンブレン・テストを行うわけです。メンブレンは 0.8 マイクロメーター(ミ クロン)の値であり、目で見えないゴミも容易に捕捉します。メンブレンがこのような細かい粒子で覆わ れてしまった時には、当然メンブレンの汚れに気が付くでしょう。黒ずんで来るほどに、汚れがひどくなっ ているのです。
ASTM D-3830 は、色相方式によるメンブレンの評価方法を説明しています。私どもは大いにこの方 法を支持しています。
ところで、1ミクロンの大きさはどれ位でしょうか。この用紙の厚さがほゞ 75 ミクロンです。
(ザ・ギャムグラム第2号−以上−)

