2月号では、大きなゴミがコアレサーを通らないで、フィルター・セパレーター・サンプに入 り込むのはどういう場合にか、ということについて説明しました。今回はコアレサーを通過する 非常に小さな粒子についてお話し致します。
フィルター・セパレーターを開けサンプ内を覆う細かい汚れの膜に気付いたことが、これまで何回お有 りでしょうか。横型容器では、この膜が壁面の半分ほどまで拡がっているでしょう。殆どの場合、それは 布切れで簡単に拭き取れます。粒子の一つひとつは細かくて見分けることができません。超微粒子なので す。
その事実から、フィルター・メンブレンの点では非常に良好な状態であることが判別できるわけで、決 して異常ではありません。もっとも、時折少量の水が存在しますが、出口側の燃料は乾いた状態です。し かし、フィルター・タンクの壁には数千もの悪条件のメンブレンを作り出すに充分な汚れが付着していま す。その汚れはコアレサーの下流側にあり、そのコアレサーはフィルターというわけです。何故こんな事 が起こるのでしょうか。
答は、汚れた水にあります。汚れはコアレサーを通して水の中に入って来ます。水滴となって容器の表 面やサンプの壁にくっつきます。それで、この非常に微細なゴミの粒子は、一つひとつの水滴の中に留まっ て、ついにはフィルター・タンクのエポキシ塗装に接触し付着してしまいます。水はドレンされるか再び 燃料中に溶け込むかしたわけです。ゴミを通してしまったのだから、そのコアレサーは不良である、と言 えるでしょうか。言えません。それどころかコアレサーは本来の機能を充分に果たしたのです。燃料がき れいであるかどうか、一体どう判断するのでしょうか。
コアレサー・エレメントが、何と素晴しい装置であるかを理解するには機会を見つけて、フィルター・セパレーターの試験室に行ってみるとよいでしょう。そこでは、レッド・アイアン・オキサイド(Red Iron Oxide =赤色酸化鉄)という名で知られる検査粉を使っています。その粒子は表に示す通り科
学的に等級付けられているもので、成分の 45%は 1/4 マイクロメーターあるいは 0.0001 インチ (0.00254mm)以下となっていることにご注目下さい。(それは、1インチの10 万分の1あるいは1千万分の1という ような大きさなのです。)
|
マイクロメーター |
レッド・アイアン・オキサイド 重 量 比 |
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|---|---|---|---|
| 0 | ~ | 0.25 | 47.8 |
| 0.25 | ~ | 0.5 | 29.9 |
| 0.5 | ~ | 1.0 | 16.4 |
| 1.0 | ~ | 2.0 | 3.0 |
| 2.0 | ~ | 10.0 | 2.9 |
| 0 | ~ | 10.0 | 100.0 |
| 0 | ~ | 5.0 | 98.8 |
コアレサーには実際上、これらの微細な粒子を燃料から濾し分ける働きはありません。粒子の小さな塊 が集っていってコアレサーの中に溜ります。テストが進むにつれて、ゴミが通路を塞ぎ始めますので、圧 力の低下が大きくなっていきます。突然、研究員達は水を加え始めます。コアレサーはそのまゝ働き続け ますが、サンプ・ウォーターは鮮明な赤に染まります。燃料はきれいで乾いた状態のまゝです。
一体どんな事が起ったのかといゝますと、水が注がれて、コアレサー内のゴミに触れますと、ゴミは湿っ て塊が壊され元の粒子になります。燃料や繊維組織内に留 まらず、ゴミは水に入り込みます。その理由は 燃料よりも水分による「湿化」の方をゴミが好むからです。その結果、ミクロに近い細かなゴミがコアレ サーを通して水の中に入るわけです。燃料は、というと、それは清浄な状態を保ちます。
もし、フィルター・ヴェッセル・サンプ内に汚物の膜を見い出した時は、どうすればよいのでしょうか。 何よりも先ず、それはメンブレン・テストの結果が良好であった事を示すもので、決して危険な事態では ないのですから、警戒の要はありません。しかしながら、何故水が出て来たのか、その原因を発見するた めにシステム全体をチェックしなければなりません。エレメントの交換時には、常にフィルター・セパレー ターを充分掃除しなければなりません。汚物の膜を取り除きます。時として、その膜が水でも燃料でも剥 がれない場合がありますが、これは微生物による状態を示すものと信じられます。何故でしょうか。ある 期間その状態のまゝの水滴内では微生物が繁殖し始めることでしょうし、このような状況で発生した堆積 層は普通のゴミとは違って非常に取り除き難くなります。
トリソデューム燐酸塩(Trisodium Phospate)のような工業用洗剤は非常に効果的ですが、洗剤を使っ た後は、フィルター内に何の残留物もないよう表面を充分に水洗いしなければいけません。スティーム・ クリーナーは絶対に使わないで下さい。殆どが石鹸、すなわちフィルター・セパレーターに使用してはな らない強力なサーファクタント(脚注参照)を含んでいるからです。
(ザ・ギャムグラム第3号−以上−)

